こんにちは、派遣薬剤師のあいです。
私は、今では「薬剤師になってよかった!」と 心から思いながら仕事をできているのですが、実は、薬剤師2 年目の頃は、毎日のように過誤を連発して、すごく辛い思いをしていました。
『毎日って嘘でしょ?』と思われる方もいるかもしれないですが、本当のことなのです。。。
当時、私は薬剤師1年目の秋から、ほぼ一人薬剤師の店舗で働いていました。
なんで「ほぼ」なのか?というと、薬剤師は私と薬局長の二人だったのですが、薬局長は在宅の薬のお届けで、ほとんど薬局にいませんでした。
なので、実質、外来と在宅の調剤を一人で行う、ほぼ一人薬剤師状態。
そして、18時になって、自分の店舗を閉めたら、近くにある系列店の応援に呼ばれて20時までそこで働きます。
この店舗は、薬剤師3人体制なのですが、外来が忙しい店舗です。
20時になって、外来が終わるとようやく自分の店舗に戻って、そして、そこから在宅の調剤の続きを終電まで行う…
そんな生活を送っていました。
一年目の後半は、そんな 生活もなんとかこなしていたのですが、二年目の春頃から、なんだかおかしくなってきました。
ピックミスが増えたり、監査で見逃してしまい、毎日のように過誤 をするようになってしまったんです。
上司に毎日怒られ、インシデントレポートを毎日書き、
私はなんてだめな人間なんだ…
薬剤師は私に向いてなかったんだ…
どうやって今まで過誤を 起こさないで働いていたのかわからない…
どうしたらいいかわからない、
つらい…
と、毎日泣きながら働いていました。
ですが、そんな私も、神様からは見離されていなかったようです。
私の頑張りを理解して、 問題点を一つずつ一緒に考えてくれた、エリアマネージャーのお陰で、私の過誤は次第に減っていきました。
それから1年後には、ピックミスもほとんどなくなり、
監査では他の薬剤師のミスに気づいて、スタッフから「ありがとう」と言ってもらえるような、そんな薬剤師になることができました。
当時の体験をもとに、過誤を減らすためにはどうしたらいいのか?という方法を今日はお話していきます!
過誤はあなただけの責任じゃない。環境要因を知る
過誤やヒヤリハットを起こすと、本当に落ち込みますよね。
反省することは薬剤師としても大事ですが、実は、過誤はあなただけが悪いわけじゃないんですよ。
過誤が起きる背景には、環境的要因がたくさん絡んでいることが多いんです。
例えば、こんな環境になっていませんか?
- 残業続きで疲れている
- 動線が悪く、効率が悪い動きをしている
- 収納スペースが少なく、薬局内が散らかっている
- 人間関係が悪く集中できない・萎縮してしまう
などなど。
毎日遅くまで残業する日々が続くと、体は動いても、集中力が落ちたり、頭が働かなくなります。
人手不足で、過重労働になっていませんか?
業務に終わりがみえなくて、常に焦った気持ちで仕事していませんか?
もしそうだったとしたら、人を一人入れてもらうよう、上司に相談しましょう。
薬局長が、上に言ってくれないようだったら、薬局長のさらに上の役職の人(エリアマネージャーなど)に、直接相談してもいいと思いますよ。
ただ、その場合は相談する順序が違う!って怒られる原因にもなるので、
「本来は薬局長から言ってもらうべきなのですが、薬局長に理解してもらえなかったので、内密に相談させてください。」
と言ってから相談するほうが、スムーズです♪
これは私が実際に相談したときに使ったセリフなんですが、この前置きを入れることで、トラブルなく相談できました☆
さらに!もうワンポイントアドバイス。
人件費を抑えたい会社としては、人を一人入れてほしいという要望がすんなりと通ることは難しいです。
そこを理解した上で、相談すると、「おっ、こいつ分かっているな」って上司に思ってもらえますよ。
業務が終わらず、遅くまで残業が続いて辛いんです。
集中力も落ちて過誤が増えてきた。
本心としては、薬剤師を一人入れて欲しいけど、
難しいお願いだとはわかっているので、エリアマネージャーに一度私の店舗にヘルプにきて欲しいんです。
薬局の現状を知って頂きたい。
そして業務改善できる部分があれば教えて頂きたいんです
薬剤師一人入れるのが難しければ、事務さんやパートさんを一人入れてくださるだけでも変わります。
こんな感じで伝えるといいですよ♪
ポイントは、ただ人を入れてほしい!!って主張するんじゃなくて、「薬剤師を1人入れるのは難しいのは分かってるんですけど・・・」って感じで言うこと。(笑)
わがままっぽく聞こえないように心がけましょう♪
店舗内で話し合っても、何も解決できない場合、大事なのは、店舗外の偉い人に頼ることです。
散らかっていたり動線が悪ければ、改善策を教えてくれるかもしれません。
業務過多で過重労働になっている場合は、
ヘルプを入れてもらえたり、人を一人入れることを検討してくれるかもしれません。
まじめなあなたは、自分のことばかり責めてしまい、今辛い思いをしているかもしれませんが、
顔をあげてくださいね(*^^*)
そして、過誤はあなただけのせいじゃない、ということを知って欲しいのです。
もちろん、過誤を起こさないよう、あなた自身も努力する必要はありますが、店舗や会社全体で、改善していかなければならない場合もたくさんあります。
過誤が続く場合は、過誤を一人で抱え込まず、まわりに頼るようにしてください^^
調剤・監査・投薬の方法を正しく教わっていますか?
過誤を起こして、私が信頼しているエリアマネージャーが対策を考えにきてくれたとき、
「私の監査や、投薬方法がだめ!!薬局長から、何も教わってないの・・・・???!」
と指摘してくれました。
私は指摘されるまで、監査方法や投薬方法がそもそも間違っているということにまったく気づいてなかったんです。
エリアマネージャーに指摘されたとき、世界が開けていくような、目が大きくなるような、そんな感じがしました。
私が指摘されたことは、こんな感じのことです。
- 監査で錠数が不安だったら、調剤録に印刷されている錠数を頼りに監査する
- 漢方などを数えるときは、両側とも数える(一包だけ切れていることもあるから)
- 監査した薬を薬袋に入れる時にも、薬と薬袋に書かれている薬品名が一致しているか確認する
- 投薬時に患者さんに説明するときは、薬情を患者に見せながら、薬を実際に患者に見せて、
薬情の写真・薬品名と、実際に手に持っている薬が同じか確認する - 投薬時に薬袋に薬を戻すときは、再度、薬と薬袋に書かれている薬品名が一致しているか確認する
今これを読み返すと、本当に当たり前のことで、当時の私は本当に何もできていなかったんだな~・・・・と改めて思いました。
私は、「監査で薬が合っているか確認する。投薬では患者に指導する。」という認識でいたので、投薬時に、薬が合っているか?というのは一切確認していなかったんです。
また、薬袋へのしまい方もそんなふうに確認するなんて、知りませんでした。
私は、こんなにも、確認をしていなかったんです。
私のやり方は違ったんだ・・・と知って、衝撃を受けました。
もしかしたら、これらのことは、誰からも教わらずにできる人もいるのかもしれません。
ですが、私は教えてもらうまで、気づくことができませんでした。
エリアマネージャーは、「なんで、あいさんにちゃんと教えてあげなかったの!」と薬局長に怒っていました。
あなたはどうですか?
調剤・監査・投薬で、しっかりと薬を確認できていますか?
もし不安があるようなら、あなただけが悪いんじゃない。
調剤・監査・投薬の方法を教えられていないだけかもしれません。
焦っている。
これ!私もかなり焦りがちでした。でも焦っていいことって1つもないんですよ。
焦っている原因をまずは1つずつみていきましょう。
原因1.業務過多で、終わりがみえず、焦っている
在宅調剤の締め切りが迫っているのに、全く終わる気配がないと、焦ってしまいますよね。
これに関しては、やはりエリアマネージャーなどの上司に相談するのが一番です。
自分の力でどうにもできないことは相談しましょう。
焦りの原因2.患者さんがたくさん待っていて焦っている
「患者さんを待たせたらかわいそう」
「患者さんを待たせたら怒られるかもしれない」
ってついつい思ってしまいますよね。
患者さんのことを思って、焦る気持ち、よーーくわかります。
ですが、冷静に考えてみてください。
調剤ミスをすることのほうが、患者さんに迷惑をかけてしまいます。
患者さんを待たせて怒られるかもしれないということに関しては、投薬時に、お待たせして申し訳ございません。と心から謝罪しましょう。
もしそれで怒ってしまう患者がいたら、謝り続けながら
「あー運が悪い患者に当たっちゃったな」
って私は思うようにしてます(笑)
ちなみに、この考え方かなり有効ですよ。心が傷つかずに、冷静に謝ることができます☆
あと、在宅と違って、外来は必ず終わりが来ます。
患者が途切れずたくさん待っているときは
「いつかは終わる・・・!」と思うようにするといいですよ♪
私はこういうふうに考えるようになってから、焦らなくなりました!
焦りの原因3.自分の動きが他のスタッフより遅く迷惑をかけていると感じて焦ってしまう
この気持ちわかります。
私は長年劣等感を感じて生きていました。
でも、急ぐことと焦ることは違うんだと理解できるようになってからは、落ち着いた気持ちで仕事をできるようになりました。
また、仕事が遅くて上司からプレッシャーをかけられているというのは
とてもつらいと思いますが、
プレッシャーをかけることでしか後輩を指導できない先輩も悪いのです。
本来であれば、精神的プレッシャーをかけるのではなく、
どのように動けばはやく調剤できるようになるのか?
どのように考えて動けば効率的に動けるようになるのか?
そういったテクニックや考え方を冷静に指導するべきです。
なので、
はやく!と言うだけだったり、
遅いなあ・・・という目で見ることしかできない先輩も悪いんですよ。
先輩に感情的にせかされたり、そういった態度をとられたときは、私は、
『ああ・・・またプレッシャーかけてきてる。
プレッシャーかけるだけじゃはやくならないのに。』
って思うようにしてます。
こういうふうに考えると、冷静になれて、焦る気持ちも少し落ち着きますよ♪
落ちこむことは反省にはならない
過誤を起こしたら、落ち込みますよね。
その気持ちはよく分かります。
ですが、落ち込むことが反省にはならないということを理解するもの大事です!
私は、ある時から、「落ち込んでいる時間がもったいないな」って考えるようになりました。
私に必要なのは、落ち込むのではなく前に進むことだったんです!
前に進むってどういうことかというと、原因究明を自分なりにするんです。
例えば、過誤や調剤ミスをしたら、なぜ自分はそのようなミスをしたのか、毎回考えるようにする。
私はインシデント(過誤)だけではなく、ヒヤリハットも過誤と同様に考え、自分で記録をつけて、なぜそういったミスが起きたのか毎回考えるようにしてました。
よく、インシデントの原因に「知識不足」と記入する薬剤師がいます。
私もその一人でした(笑)
でも、よく考えると、「この規格があるのを知らなかった」は理由にならないんですよね。
だって、世の中にあるすべての薬を、完璧に覚えるなんて不可能だから。
薬剤師何年やっていても知らない薬はたくさんあるし、覚えた薬もどんどん忘れていきます(笑)
だから、知識不足は過誤の原因じゃないんですよね。
処方箋と違う薬を出してしまったという過誤の場合は、処方箋と薬をよくみていない。それが原因であることが大半なんです。
じゃあ、どうしたら処方箋と薬をよく見比べることができるようになるのか。そこをよく考えると、過誤は一気に減りますよ。
分からないことをそのままにしない
分からないのに、スルーしてそのまま調剤してしまう。
これは薬剤師として一番やってはいけないことだと思います。
焦っていたり、他のことに気をとられていたり・・
もしかしたら、分からないと言うのが恥ずかしいという気持ちもあるかもしれません。
ですが!
過誤をしたくないのなら、患者さんに健康被害を起こしたくないのなら、添付文書確認を徹底しましょう。
私は、ちょっとでも用法や用量が分からなかったら、すぐに添付文書をカンニングしてます(笑)
初めて見る薬だったら、添付文書確認は絶対です!
もし分からない、知らない、と言うのが恥ずかしいのなら・・・
これはもう、薬の知識をつけるしかないですね。
投与量、上限量、適応、用法は食前投与なのか、食直前投与なのか?
知識はあなたの武器と盾になります。
私も、知識は、自分の身を守るためだと思って勉強してますよ。
過誤を起こさないために。
恥ずかしい思いをしないように。
ヒヤリとした気持ちを味あわないように。
知識をつけていきましょう!
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最近つくづく感じているんです。
覚えたはずの知識もどんどん忘れていってしまっている・・・!ということを。。
年齢のせいもあるかもしれませんが(笑)人は忘れる生き物なんですよね。
だから、定期的に知識に触れていないと忘れてしまう。
でも、業務中に触れる処方にはかたよりがあります。
小児科の門前にいた時は、小児用量もバッチリ覚えてたのに、店舗が変わったらすっかり忘れてしまっていたことに気づいてショックを受けました。
皮膚科の門前にいたときには覚えてたステロイドのランクがこの前うろ覚えになっていたことも恐ろしかったです。
本当は、勤務中にさまざまな処方がバランスよくきて、復習できたらいいんですけど、勤務中にランダムに知識に触れるというのがなかなか難しいのが現状ですよね。
この、すぐ忘れちゃうという状況から抜け出したい・・・!
そんな私を救ってくれたのが、m3(エムスリー)さんの無料のメールマガジンでした。
m3(エムスリー)に登録すると、医療に関わる情報をメールで教えてくれるようになります。
私は最初登録した時、
「メールマガジンって・・・どうせゴミみたいなメールが届くんだろうな。」
ってすぐゴミ箱へポイする気満々だったのですが(笑)、m3(エムスリー)さんのメールはちゃんと勉強になりました。
例えば、こんな感じのメールです。
スギ・ヒノキが終わった後の花粉・・・すごくかゆいところに手が届いている内容だなって思いました!
たまに、花粉症の患者さんがやってきて、「今ってなんの花粉?!」って内心ドキドキしちゃうことあるんですよね。
また、「15歳未満でも使える鎮痛薬は?」などタイトルがクイズになっているものもあるので、タイトルを読むだけで
「えっと、確かアセトアミノフェンとーー」って自然に復習になっちゃうんです。
メールのタイトルを見るだけでも勉強になるって楽ちんですよね。
また、医療系のニュースも教えてくれるので、患者さんに「あの薬が新聞にのって話題になってたわよ!大丈夫なの?」など突然ニュースネタを振られたときも、このメルマガのお陰で問題なく対応できるようになりました♪
薬剤師は生涯勉強。
だからこそ、無理なく、自然に身につく習慣にするのがとっても大事だと思います。
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こういったキャンペーンをするのは珍しいので、登録がまだの方はラッキーですよ。
過誤を減らすために最後に一番効果的な方法
ここまで、過誤を減らすための5つの方法をお伝えしてきましたが、過誤を減らすために一番手っ取り早い方法は、転職することです。
いきなり話が飛んだと思ってびっくりした方いますか?
飛躍しすぎって思う気持ちもよく分かるのですが、これ事実なんですよ。
私は、派遣薬剤師になって、たくさんの店舗を経験しました。
その中で、
「この店舗はなんだか私ミスしやすいなーーー。私使い物にならなくて申し訳ない。過誤怖い!!」
って思う店舗と、
「なぜだかこの店舗では、私ミスしないな!なんか立派な薬剤師になった気分だ!」
っていう店舗に分かれることがわかったんです!
ミスしやすい店舗の傾向は、例えばこんな感じ。
- 聞きたいことも聞けない雰囲気
- 全員がシュバシュバって音を立ててすごいスピードで仕事してせかされる雰囲気
- 早さを重視しすぎている
- 監査システムがない
- 狭くてバタついている
- 薬袋の薬品名の表示が見にくい
- 調剤録の文字が小さい
- 自分だけじゃなくて、みんなもミスを連発している
- 経験が浅い薬剤師しかいない
こういう店舗は、気を付けていても過誤しやすいです。
逆に、
- 監査システムがしっかり完備
- 薬袋の文字が大きい、薬袋に写真もついている
- せかされない
- 分からないことは調べられる、聞くことができる雰囲気
- 調剤録のチェックがしやすい
こういう店舗は、私も不思議なくらい本当にミスしない。
まさに薬局界のオアシス☆
私も一人前の薬剤師だな~なんてつい調子に乗りたくなっちゃいます(笑)
こういう店舗で働くと、本当に仕事が楽しくなりますよ。
私は薬剤師8年目ですが、今でも、薬局によってはミスするし、薬局によっては全くミスしない。ということが実際に起きているんです。
派遣薬剤師として働くことで、「過誤は環境要因が本当に大きい。」と確信しました。
ここまで読んで、環境要因が原因だった。と思ったら、転職したほうがいいですよ。
なぜなら、環境要因は自分ひとりの力では変えられません。
環境要因を変えるのには上司を説得したり、薬局内のいろんなことを変える必要があるので、すごい時間と労力がかかります。
その間も、過誤し続けるなんて・・・辛いですよね。
「転職することで、過誤から逃げている。私は逃げない!克服したい!」ってまじめな方は思うかもしれないです。
実際、私も過誤の渦中にいるときはそんなふうに思ってました。
でも、今改めて思うと、これは逃げじゃなくて、自分を守るための、ただの対策だと思います。
過誤は患者さんの命に係わるし、自分の心も傷つきます。
そんなことになる前に、対策をうつべきだと思うんです。
私は、職場を変えて、環境のいい薬局で働くことで、怖い思いに震えながら仕事をしなくてすむようになりました。
薬剤師という仕事が楽しくなって、自然ともっと勉強したいって思えるようになりましたよ。
ちなみに、私は、マイナビ薬剤師とリクナビ薬剤師を両方使いました!
次の転職は絶対失敗したくなかったので、より多くの求人をみたかったから2つ登録しました☆
マイナビ薬剤師とリクナビ薬剤師は、大手なだけあって薬局内のことについても詳しかったですよ。
もし登録したら、監査システムが充実している薬局がいい、など要望を惜しみなく担当者さんに伝えてくださいね♪
ある程度、上の人とのつながりがあると言いやすいかもね。